近年、「半導体不足」と耳にすることが多いと思います。
「半導体不足で車の納車が1年待ちです。」とか「半導体不足の為、家電が値上げしている。」など何かを買う度に「半導体」という言葉が飛び交っています。
しかし、実際のところ「半導体ってなんなの?」「半導体って何に使われているの?」と疑問も多いと思います。
今回はその半導体不足になった原因、私たちの生活にどんな影響があるのかについて調査・まとめてみました。
ぜひ最後までご覧ください!!
【この記事でわかること】
✓ 半導体が使用されている家電
✓ 半導体不足になった原因
✓ 半導体不足解消はいつなのか?
半導体とは?電化製品に使われている生活になくてはならないもの

電気をよく通す金属などを「導体」、電気をほとんど通さないゴムやガラスなどを「絶縁体」と呼びます。
「半導体」はこの2つの中間の性質を持った物質や材料のことです。
半導体は生活を豊かにしてくれる身近なデジタル家電に多く活用されています。
・スマートフォン
・パソコン
・テレビ
・洗濯機
・冷蔵庫
・炊飯器
・エアコン
・自動車 など
一家に一台は必要な家電に使われています。
その他にも社会を支えるインフラとしても重要な役割を果たしています。
・銀行ATM
・電車の運行
・エレベーター など
多くの人が一回は使ったことがある物に使用されています。
半導体は日本だけ不足してる?
半導体は日本だけ不足しているの?答えは“NO”です。
半導体不足は日本のみならず世界的に半導体不足が起きています。
現在はパソコンやゲーム、自動車、ネットワーク機器、産業用機械、電気自動車など半導体を使用した製品の需要が急増しています。
需要があるのに供給ができないのはメーカーなどにとっては非常に辛いことです。
半導体不足は多くの業界の悩みの種となっています。
半導体が不足すると日常生活に影響が及ぶ
先程も記しましたが、生活を豊かにしてくれるデジタル家電には半導体が使用されています。
電池が入っていたり、コンセントにつながっているものには全て半導体が使われているといえます。
半導体が不足するということは、生活を豊かにしてくれるデジタル家電の製造が限られるということです。
購入しようとしていた商品が買えない、あるいは価格が大幅に上昇するといった事態を招きます。
半導体不足になった原因は大きく2つ

2020年ごろから半導体不足と言われ出しましたが、半導体不足になった原因は大きく2つあります。
①半導体の需要が大幅に拡大した
②半導体の供給がひっ迫している
半導体の需要が大幅に拡大した
なぜ半導体の需要が大幅に拡大したのか?
半導体の需要が拡大した要因は2つです。
①新型コロナによる電化製品の需要拡大
②IT技術の進歩による需要の増加
新型コロナによる電化製品の需要拡大
2020年から新型コロナウイルス感染症の影響で外出制限がかかり、人々の生活は一変しました。
企業ではテレワークの導入や、学校ではリモート授業が急増しました。
そのためパソコンやタブレットなどの通信機器の需要が急増。
公共交通機関の利用を避けるために、自動車の需要も増加。
テレワークやリモートの影響で家で過ごす時間が増えたため、家での時間を充実させる為に、大型テレビ、タブレット、ゲーム機を購入する人が急増しました。
新型コロナウイルス感染症の影響で人々の生活が変わり、半導体を使用した機器の需要が拡大したことが半導体不足の原因の一因です。
IT技術の進歩による需要の増加
IT技術の進歩により変化したことと言えば
・スマートフォンの通信が5Gに移行
・電気自動車(EV)やハイブリット車(HEV)の需要の拡大
・AIの普及
・スマートフォンと家電を連動させるスマート家電
・テレビの大型化
IT技術の進歩により、世界的なデジタル化の促進にあたり、半導体を多く使用する製品の需要が増えました。
人々の暮らしを豊かにする為に技術は日々進化してます。そしてIT技術の成長には半導体は不可欠なものです。
半導体の供給がひっ迫している
供給がひっ迫している原因は次の4つです。
① 中国へ軍事技術漏洩を防ぐため
② 国内半導体工場の相次ぐ火災
③ 半導体工場の老朽化
④ ロシアのウクライナ侵攻の影響
中国へ軍事技術漏洩を防ぐため
2020年12月にアメリカが中国の大手半導体受託製造メーカーを貿易上の取引制限リストに入れました。
事実上の禁輸措置です。
これは軍事技術を盗むことを防止する為の措置になります。
アメリカは台湾の半導体製造メーカーに依頼しましたが、生産が足らず供給不足の一因となっています。
国内半導体工場の相次ぐ火災
2020年に旭化成のグループ会社の「旭化成マイクロシステムの生産センター第二製造部半導体工場」で火災事故が発生しました。
この火災で、5階建ての工場のうち3〜5階が焼損しています。
2021年には「ルネサスエレクトロニクスの那珂工場」(茨城県ひたちなか市)でも火災が発生。
那珂工場は火災から3ヶ月で半導体生産能力が100%復旧しました。
半導体工場の老朽化
最先端の半導体を効率良く生産するには、12インチウエハー工場と呼ばれる設備でないといけません。
しかし、現在は8インチウエハー工場で製造されており、生産が追いついていません。
8インチウエハー工場は一世代前の工場の為、工場の老朽化が進んでいます。
半導体の製造には少なくとも3ヵ月以上かかり、長いと8ヶ月の期間がかかります。
工場の新設には2年以上かかり、数千億円のコストも発生します。
すぐに増産体制が取れないことも理由の一つです。
ロシアのウクライナ侵攻の影響
半導体の製造工程では、ネオンガスなどの不活性ガスが必要になります。
ウクライナは世界のネオンガスの50%以上を産出する資源国家です。
しかし、ロシアの侵攻が始まった2022年の2月から、安全性の観点からガスの生産を停止しています。
その他にも半導体の製造に使われる、クリプトン、キセノンといった希ガスやレアメタルの一部もロシアやウクライナから供給されています。
半導体不足解消の見込みは?
半導体不足は、半導体製造の複雑さや、コスト問題により短期的に解消される問題ではありません。
IntelのCEOパット・ゲルジンガー氏は「半導体不足は2024年ごろまで続くのではないか」と予測しています。
現状、半導体の需要は高まっており、半導体工場の新設や生産増強を進めても追いつかない状態です。
まとめ
✓ 半導体は日常で使っている多くのものに使用されている。
✓ 半導体不足は日本だけでなく、世界的な問題となっています。
✓ 色々な問題が重なり、半導体不足となっている。
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